霧島レイちゃん関連の活動の一環で「毎年新しい交通安全祈願の絵馬を制作し、鹿児島県の霧島神宮に奉納をする」を行ってまして、絵馬のオモテは来年の干支に関するイラストを用意しているのですが、絵馬裏の空白があるのなら何か描きたくなるのが人というもの!何もない状態で寂しく思えたので、痛絵馬制作に足を突っ込んでみました!
うーーーーん。
この痛絵馬制作…。思った以上に作るのが困難!!ヽ(・x・;)ノ
下絵に関しては、トレーシングペーパーを使って、別で描いたイラストを転写するやり方でも良かったのですが、絵馬の素材である木片がキレイに削られているとしても、マーカーなどで線画を描くときにインクがその細かい木目に染みてしまって細かい線がかけないーーー。
ということで、先人の知恵もお借りしつつ、別の方法でアプローチ出来そうな情報を得て、合わせて出来上がったのが最初の写真の痛絵馬になります(*´ω`*)
この方法は、絵馬への直書きではなく、コピー機(トナー)を利用した「転写」になります(・x・)ノ
線画をキレイに表現するためのテクニックですので、直書きじゃないとだめ!彩色したい!という方は、別のアプローチを試してみてください。
下地処理などを含めて用意するものが結構ありますが、痛絵馬を作りたい!っていう方へのアドバイス的な情報になれば嬉しい限りです。
準備するもの
それでは、痛絵馬制作で必要なモノと購入先の情報をまとめました(・x・)ノ
- 絵馬本体 …神社の社務所でも購入可能
- 防水スプレー(フッ素タイプ) …ホームセンターでも購入可能
- 耐水ペーパー・サンドペーパー …100円ショップでも購入可能(1000番代が必要)
- ネイルリムーバー(アセトン配合タイプ) …ドラッグストアでも購入可能
- 化粧用パフ・コットン …ドラッグストアでも購入可能
- コーヒー缶 …片手で持って転がしやすいサイズを選択
- A4クリアファイル(無地無色透明のモノ) …100円ショップで購入可能
- マスキングテープ
- 絵馬に転写するためのイラストデータ …データ出力の場合は、USBメモリがあると良い
結構用意するものがあるので、作る際はある程度長期スケジュールで考えておくと良いかもです。
それでは個別で説明をしますね。説明の必要がなければ、次の施工方法へ進んでください。
個別で必要なモノの説明
絵馬本体とマスキングテープは説明を省きます。
- 防水(撥水)スプレー
防水(撥水)スプレーに関しては、「フッ素タイプ」を用意してください。
フッ素タイプは水も油も弾くのため、キレイな線画の状態を作るための下地づくりと劣化防止対策として使用します。(ちなみにシリコンタイプは、水ははじくが油ははじかないので、マーカーで線を書いたときにシミの原因に繋がります)
私が使ったモノは靴用の防水スプレーで、フッ素もシリコンタイプも入ってる製品を使用しましたが、出来るなら「フッ素のみのモノが理想」です。
- 耐水ペーパー・サンドペーパー
絵馬本体の木目を削るために使います。
転写作業をミスが起きてしまっても、削ればリセット出来ますので、気軽にチャレンジが可能です(*´ω`*)
100円ショップのDIYコーナーあたりで、600〜1000番代のセット品が購入できるので、こちらで十分です。
- ネイルリムーバー(アセトン配合タイプ)
今回の転写をする際に「アセトン」が入っているネイルリムーバー(除光液)を使用します。
アセトンはコピー機・レーザープリンタで使われている「トナー」を溶かす成分を持っているので、これを利用して木片に転写が可能になるのです。化学ですねー!
ネイルリムーバーは、ドラッグストアーなどのネイルコーナーで購入できるのですが、少し高価な上に失敗する可能性もありますので、心配な方や探すのがメンドイ方は、私が購入して実際使っているリムーバーを紹介しますので、こちらを入手してみてください(・x・)ノ
結構使用するので、これぐらいの量があると途中で無くなることはないので安心です。
※紹介サイトでは「除光液」という名称で記載されていたので、除光液でコンビニなど探し回ったのですがなかなか見つからなくて…。主に「リムーバー」っていう名称で製品販売されているので、各店舗で探す際は注意してください。
- 化粧用パフ・コットン
リムーバーを使うときに、しっかり染み込ませてある程度範囲を広げながら使用するので、溶剤が染み込むタイプの「化粧用コットン」がオススメです。
リムーバー共々、ドラッグストアーで購入できますので、自分で良さそうなのを選択してください。
メンドイ方向けに、私が使用しているコットンはこちらになります(・x・)ノ
- コーヒー缶
別にコーヒー缶でなくても良いのですが!
絵馬に転写する際の馴らすために使用します。コーヒー缶ぐらいの大きさと形が絵馬へ馴らすときに扱いやすかったので、オススメしてます。
転写用のイラストデータ制作
私の場合は、そもそも絵馬イラストの印刷データを作っているので、絵馬の外枠のガイドラインがわかってているので、ガイドライン内でイラストデザインをすれば良いのですが、皆さんはそうもいってられないと思いますので…
絵馬を白紙の用紙(コピーやプリント用紙でOK)の上において、ペンなどで外枠をなぞってください。これで痛絵馬を作りたい絵馬の大きさがわかるガイドラインが作れます。
この絵馬の外枠のガイドラインを記載した用紙を原本とし、コンビニなどでコピーをすれば、やりなおしの際も楽な環境でイラストを描くことができます。(原本コピーの際に複数枚印刷しておくと◎)
デジタルでイラストを描きたい場合は、スマホでこの絵馬の外枠のガイドラインを記載した用紙を撮影して、そのデータをイラスト制作ソフトに持っていってほしいのですが、印刷したときにサイズがずれないように、1mm単位で実寸サイズを調整してください。(イラストが完成したあとにデータのサイズ調整すれば良いと思っています)
一度プリントしてみて、絵馬と合わせてみて、絵馬とのサイズがピッタリかどうかを必ず確認してくださいね。
で、最後に大事なことを!
最終的に反転したイラストデータを作ることになりますので、アナログで作業する際に、文字などをいれるときは気をつけて作ってください。
あと、絵馬の外枠のガイドラインもプリントの際に表示しない様にする必要があるので、完成データは最終的にPCで用意したほうが良いです。
施工方法
それでは施工方法をお伝えます。下地準備から行いますので、1作業に対して2〜3日ぐらいかかります。
下地準備
まずイラストを描きたい絵馬表面の状態をチェックします。触ってみた感じ、手触りが良いとか悪いとかですね(*´ω`*)
手触りが悪い場合は、表面が凸凹しているので、キレイに線画が描けません。
なので、「サンドペーパー」を使って表面を磨いてください。
大体市販されている絵馬であればそもそも仕上がりをよくするために削ってあるので、1000番代ぐらいの細目で軽く削ってあげればOKです。
この後に、「防水スプレー」を吹き掛けます。
作業場所は外でも良いのですが、吹き掛けた後、ホコリとか細かいゴミがくっつかなさそうな場所が良いです。
振きかける量は絵馬がヒタヒタになるぐらいタップリで。絵馬表面にある見えない細かい木目にもしっかり浸透する様にたくさん振りかけてください。
私の場合は、外で吹き掛けたあと、バスルームでしっかり乾燥するまで保管してます。作業時期にも寄りますが、1〜3日ぐらいは放置してしっかり乾かしてください。
これで下地の準備作業は終わりです。
転写用イラストデータのコピーを用意
絵馬の下地準備が終わるまでの間、転写用のイラストデータの【コピー】を用意します。
お持ちであればレーザープリンタを使ってプリントしたものでも良いと思いますが、オススメはコンビニのコピー機です。
PDFファイル(オススメ)にしたイラストデータファイルをUSBメモリに入れておき、コンビニのコピー機でプリントをすることができます。
ここで問題になるのが、キレイに転写するための使用されているトナーとの相性があります。
参考サイトでは、ローソン・ファミリーマートのコピー機に使われているトナーがもっとも良いと投稿されていたのですが、個人的には「セブンイレブンのコピー機」が最もキレイな線画になりました。
たぶん、転写の際に使う「ネイルリムーバー(除光液)」との相性じゃないのかなって思いますので、各コンビニ(セブンイレブン、ローソン・ファミリーマート)での転写用のコピーを用意しておくと良いかもです。
相性が悪いことを気がついても、サンドペーパーで削ってまっさらに戻せますから安心してくださいね(*´ω`*)
転写作業
絵馬の下地と、転写するイラストデータをプリントしたコピー用紙の手配が終わりましたら、いよいよ転写作業を行います。
この際に、「ネイルリムーバー(除光液)」をかなり使います。シンナーっぽい匂いがすごくしますので、換気の良い状態で作業を行ってください。
絵馬の転写したい面を上に置き、コピー用紙のイラストがプリントされている面を絵馬に重なるように置きます。ここでしっかり転写位置を確認・調整をしてください。
そのあと、コピー用紙を包ませるようように折り曲げていきます。
裏側で「マスキングテープ」を使って固定します。
作業途中にキレイに転写できているか確認を楽にするために、剥がしやすいマスキングテープを使うことをオススメします。
手元に「ネイルリムーバー(除光液)」と、「コットン」と、「コーヒー缶(慣らし用)」と、「A4クリアファイル」を用意して、いよいよ転写作業開始(・x・)ノ
「ネイルリムーバー(除光液)」をコットンにある程度仕込ませて、コピー用紙に撫でながら染み込ませます。溶液が十分染みた部分は、線画が良く見える透明感が出ます。
染み込ませたあとに、すぐに「A4クリアファイル」を敷いて、その上から「コーヒー缶」を使って、力を入れて擦りつけます。
「A4クリアファイル」を使う理由は、リムーバー溶液の気化を防ぎつつ、化学反応でトナーを溶かす時間を増やすためと、擦る際に絵馬やコピー用紙を傷つけないようにするためです。
各作業のコツがあり、
- 【リムーバーを浸透させる作業】最初は軽く全面に、後からイラストの細かい部分(文字や線の重なり箇所など)に浸透させます。
- 【擦る作業】一定方向に均一に力を入れて何度も擦る。後からイラストの細かい部分を重点に擦る。
こんな感じに行います。
擦り合わていると、リムーバーの溶液が乾いてきて、染みていたときは透過していたのがだんだん白く透過率がさがってきます。
この状態を【1回】として、
横向きに【3回】→ 縦向きに【3回】→ 仕上げにイラスト部分の細かい部分対して【1回(向き問わず)】転写作業を行ってください。
ここまで行って、しっかり転写されているかコピー用紙をすこし剥がしてチェックしてください。
線画が薄い場合は、もう1回上記のパターンを繰り返す。すこし薄い場合は、各1回ずつ上記パターンを行うなど微調整を行いまた再チェックを繰り返して…
くっきり写った状態が確認できれば、完成になります(*´ω`*)おつかれさまでした!
このあと、お好みで防水スプレーを少し振り掛けても良いと思います。
擦る作業をやりすぎたり、下地処理がうまく出来てなかった場合は…
こんな感じに滲んでしまいます。
これは失敗なので、サンドペーパーを掛けてリセットし、下地作りからやり直しですヽ(・x・;)ノ
最後に
トナーを使ったこの方法は、意外と線画の耐久力も高く、1年以上は雨風にさらされても線画部分はキレイな状態を保てます(*´ω`*)
作業難易度もぜんぜん高くないので、興味があれば試してみてください!
最初に今回の痛絵馬を作る作業工程の礎になった外部サイトさんをご紹介致します。深堀りした方は是非アクセスしてみてください。